カテゴリー: 文献

BOLDに登録されたバーコードデータを活用した鳥類の種分化に関する研究

BOLDに登録されている12の鳥類プロジェクトのDNAバーコードデータをもとに、過去に日本本土から大陸へと移動が起こったとされる「Reverse Conolization」の仮説の検証を試みた研究がJournal of Ornithologyに掲載されました。

論文では、バーコード情報が大陸と日本本土の両集団から得られる118種を対象にして、ハプロタイプの特徴からReverse Colonizaionの可能性を議論しています。
また、著者らは、今回の対象種ではバーコードデータが得られる集団に偏りがあることや、COIバーコード領域のみの解析の限界などバーコードデータを利用する際の問題点も論じています。

Isao Nishiumi & Chang-Hoe Kim (2015) Assessing the potential for reverse colonization among Japanese birds by mining DNA barcode data

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パプアニューギニアのチョウ類バーコードデータのBOLD登録

パプアニューギニア・Yawan周辺で採集されたチョウ類のDNAバーコードデータ(315BINs)がBOLDに登録されました。
もともとこれらのチョウ類は、生態学的研究のために採集されたもので寄主植物のデータが充実しています。
BOLD上では、バーコードデータとともに、証拠標本の写真やこうしたホスト情報も一緒に登録できるという良い例だと思われます。

Scott E. Miller, Margaret E. Rosati, Bradley Gewa, Vojtech Novotny, George D. Weiblen and Paul D.N. Hebert (2015) DNA Barcodes of Lepidoptera Reared from Yawan, Papua New Guinea

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非破壊的なDNA抽出方法についてートビムシ

DNAバーコードプロジェクトを進めるにあたって、DNA抽出は証拠標本を残すことを念頭に置く必要があります。
トビムシのようなプレパラート標本にする必要があるものは非破壊的にDNA抽出するのは難しいことでした。
本論文では、トビムシのDNA抽出の際、費用も労力もよりかからない非破壊的な方法が提案されています。

COI領域の増幅率は種によって異なるなど課題は残されていますが、DNA抽出後に作製した標本によって分類に必要な形態的特徴がきちんと判別できることが示されています。

下記のリンクから論文のアブストラクトを見ることができます。
Aoyama et al. in press, A rapid method of non‐destructive DNA extraction from individual springtails (Collembola)

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中央ヨーロッパ産甲虫の大規模バーコードリファレンスライブラリー

中央ヨーロッパ(ドイツ)産の甲虫15,948個体のバーコード情報がBOLDに登録され、形態種とBIN (Barcode Index Number) との関係が詳しく調べられました。記事は、Molecular Ecology Resourcesのオンラインバージョンで公表されています(オープンアクセスです)。

これは、ドイツの記載種の53%をカバーする世界的にみても最大の甲虫のバーコードリファレンスライブラリーです。
3,514種が3,687BINに振り分けられました。92.2%の個体がCOIバーコード配列で種分けができたのに対して、6.8%の個体に1つ以上のBINがつきました。形態種の情報と一致しない395のBINに関してはさらなる研究の必要があることがわかりました。これらの一致しない、今のところ176種に分けられている1089個体の例に関して、これまでよく研究されてきたCarabidae, Cerambycidae, Haliplidae, Hydrophilidaeでみられたことが驚くべきことだと著者らは述べています。

論文ではBINと一致しなかった種群に関してそれぞれ詳細に述べられており、充実した内容です。

下記のリンクから論文を読むことができます。

Lars Hendrich, Jérôme Morinière, Gerhard Haszprunar, Paul D. N. Hebert, Axel Hausmann, Frank Köhler, Michael Balke
A comprehensive DNA barcode database for Central European beetles with a focus on Germany: adding more than 3500 identified species to BOLD.

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日本産ウミムシDendrodoris属5種の識別ーDNAバーコーディングと幼虫の形態精査によってー

Dendrodoris属はカラーバリエーションや形態の類似性から種分類が難しく、COI領域と18SrRNA、幼虫形態による種分類を検証した論文がMarine Biodiversity オンラインで公表されました。

下記のリンクから論文のアブストラクトを見ることができます。
Hirose et al. 2014, Identification of five species of Dendrodoris (Mollusca: Nudibranchia) from Japan, using DNA barcode and larval characters

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大規模DNAバーコーディングによる植物−真菌類ネットワーク構造の解明

大規模DNAバーコーディングによって植物と根に共生する真菌との複雑なネットワーク構造が解明され、Nature Communicationsに掲載されました。

Toju et al. Assembly of complex plant–fungus networks

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