トップへ

プロトコル

DNA抽出法

ここでは動物組織からのキットを用いたDNA抽出法に関して解説します。
現在、様々なDNA抽出キットが販売されていますが、目的にあったキットを選ぶ事が重要です。ここではDNeasy Tissue Kit (Quiagen)とNucleoSpin Tissue (Macherey-Nagel)を用いた標準的な手順を示します。まず標本からDNA抽出に用いるパーツを選定します。保存法は乾燥、液浸いずれでもよいですが、酢酸エチルによる長時間処理や、臭化メチル薫蒸された乾燥標本、低濃度(60%以下)のエタノールで長期間(1年以上)保存された液浸標本ではDNAの収量が極端に落ちます。 そのような標本ではDNA抽出液を用いる抽出法で抽出液による長時間のインキュベーションを行うと効果があります。

DNeasy Tissue Kit

  1. 1.5mlチューブ(滅菌済み)にATL buffer(キット付属)180µlを入れ、サンプルを加えてぺスチルで押しつぶし、組織を破砕する。破砕後、ボルテックスでよく攪拌する。
  2. Proteinase K 20µl(キット付属)を加え、ボルテックスでよく攪拌し、55℃、1~3時間インキュベート。このとき数度ボルテックスで攪拌するとよい。可能であればローテーター等で回し続けるとよい。条件の悪い標本からの抽出である場合(前述)や、組織片が微量である場合にはこのインキュベーション時間を長く(3時間1昼夜)する。

  3. AL Buffer(キット付属)を200µl加え、ボルテックスでよく攪拌し、70℃、10分間インキュベートし、99.5%エタノールを200µl加えてさらにボルテックスで攪拌する。

  4. Mini column(白色のカラム)に抽出液をアプライし、≧ 6000 x g、室温で1分遠心。もし溶液がカラムにアプライしきれない場合、このプロセスを溶液がなくなるまで繰り返す。このとき破砕したサンプルをカラム入れないようにするために、軽く遠心してもよい。
  5. コレクションチューブを交換し、Buffer AW1(キット付属、使用前に99.5%エタノールを添加してあるか確認すること)を500µl加え、≧ 6000 x g、室温で1分遠心。
  6. コレクションチューブを交換し、Buffer AW2(キット付属、使用前に99.5%エタノールを添加してあるか確認すること)を500µl加え、≧ 20000 x g、室温で3分遠心。
  7. カラムを1.5mlチューブに移し、Buffer AE(キット付属)100µlを加えて1分置いた後、≧ 6000 x g、室温で1分遠心。
    ※このプロセスを2回行うことでDNAの収量を増やすことができるが、濃度は低くなる。

NucleoSpin Tissue

  1. 1.5mlチューブ(滅菌済み)にT1 Buffer(キット付属)180µlを入れ、サンプルを加えてぺスチルで押しつぶし、組織を破砕する。破砕後、ボルテックスでよく攪拌する。
  2. Proteinase K 25µl(キット付属)を加え、ボルテックスでよく攪拌し、55℃、1~3時間インキュベート。このとき数度ボルテックスで攪拌するとよい。可能であればローテーター等で回し続けるとよい。条件の悪い標本からの抽出である場合(前述)や、組織片が微量である場合にはこのインキュベーション時間を長く(3時間1昼夜)する。
  3. B3 Buffer(キット付属)を200µl加え、ボルテックスでよく攪拌し、70℃、10分間インキュベートし、99.5%エタノールを210µl加えてさらにボルテックスで攪拌する。
  4. Tissue columnに抽出液をアプライし、11000 x g、室温で1分遠心。もし溶液がカラムにアプライしきれない場合、このプロセスを溶液がなくなるまで繰り返す。このとき破砕したサンプルをカラム入れないようにするために、軽く遠心してもよい。
  5. 廃液をすてカラムをコレクションチューブにもどし、Buffer BW(キット付属、使用前に99.5%エタノールを添加してあるか確認すること)を500µl加え、11000 x g、室温で1分遠心。
  6. 廃液をすてカラムをコレクションチューブにもどし、Buffer B5(キット付属、使用前に99.5%エタノールを添加してあるか確認すること)を600µl加え、11000 x g、室温で1分遠心。
  7. 廃液をすてカラムをコレクションチューブにもどし、11000 x g、室温で1分遠心し乾燥させる。
  8. カラムを1.5mlチューブに移し、あらかじめ70℃に暖めたElution Buffer BE(キット付属)100µlを加えて1分置いた後、11000 x g、室温で1分遠心。
    ※このプロセスを2回行うことでDNAの収量を増やすことができるが、濃度は低くなる。