DNAバーコーディングの概要
DNAバーコーディング DNA barcoding
特定の遺伝子領域の短い塩基配列(DNAバーコード)を用いて生物種の同定を促進するテクニックです。標準的なDNAバーコードとして種の違いを反映するような遺伝子領域を用いることで、商品バーコードから商品名や価格などの付随する情報が読み取れるように、DNAバーコードによって種名の特定が可能で、他の様々な情報と組み合わせることによって新種の発見などにも役立ちます。動物では、ミトコンドリアCOI遺伝子の5′端約650塩基長が標準的なバーコード領域とされています。
バーコードオブライフ Barcode of Life (BOL)
DNAバーコーディングに関する国際プロジェクトです。
Consortium for the Barcode of Life (CBOL)
Consortium for the Barcode of Life (CBOL)がBOLの中心的な役割を担っています。CBOLは2004年に設立された国際組織で、アメリカ合衆国のワシントンに事務局があります。現在、45カ国以上から150を超える機関や組織が加盟しており、我が国からは、国立遺伝学研究所 と[日本分類学会連合] (http://www.bunrui.info/)が加盟しています。CBOLの活動は、DNAバーコード領域の決定や作業プロトコルの標準化などの規格面からDNAシークエンス法の簡便化・低コスト化などの技術開発に至るまで多岐にわたっています。現在、鳥類(ABBI)、魚類(FISH-BOL)、昆虫綱チョウ目(All-Leps)などの重点プロジェクトが展開されており、分類群や地域毎に網羅的なDNAバーコードインベントリーが作成されています。
Barcode of Life Data Systems
Barcode of Life Data Systems(BOLD)は、BOLにおいて、DNAバーコードに関する様々な作業を効率的に行うために必要なシステムを開発・提供する組織です。現在、以下の三つのシステムがBOLDによって提供されています。
- Identification system (BOLD-IDS)
- DNAバーコーディングに基づく同定支援システム
- Management and analysis system (BOLD-MAS)
- 研究プロジェクトの管理やデータ分析を行うためのシステム
- External connectivity system (BOLD-ECS)
- 様々なシステム間での情報交換を可能にするシステム
これらのシステムは全てホームページ上で提供されているため、インターネットを通じて誰でも利用できます。
DNAバーコードを業務目的で利用したいとお考えの方へ
DNAバーコーディングという手法を実用化するのに必要なデータベースや同定システムは全てフリーで提供されております。
しかしながら、この分野はまだ情報の集積が始まったところなので、同定したい分類群の情報が十分に集まっていない場合も考えられます。このような場合にはバーコードによる同定の精度は低下します。
また、産地偽装や品種偽装といった、より細かいレベルの変異の検出には、この手法自体が使えない場合があります。
これらのことについて、ご承知おきください。